月の俣(大分県宇佐市・廃止・2020年再訪)
軒下バス停の廃止後の世界
もう何個もの軒下バス停の最期を看取っています。
などとまあ様々なんですが一様に「跡形もなくなる」が大半。
では標柱は立てているけど、以前使っていた軒下バス停が残ってたという月の俣の場合は?
大分県宇佐市の大分交通バス定別当線。去年9月ごろ廃止になりました。
…実際に行ってみた。
文化遺産としての軒下バス停の価値
残ったのは凄い。
大分の地元の人とこういうバス停の話をすると必ず言われる
「こういうの、珍しいですかね?」
もう珍しいを通り越して、もはや常態保存をどっかで求めるレベルなんだけど。
でも何故そうなのかといえば、この形式が姿を消してる実態があるからにほかならないわけで。なぜ姿を消しているかといえば、現代の生活様式に少なからずそぐっていないところがある訳。
そもそもバス停みたいな公共物を、私有財産の間貸しで設置する考えは今なかなか融通が利きにくい。
今やバス停そのものの設置で「ウチの前に置くな!」ってトラブルがあるご時勢でもある。
年季の入ったバス停
スプライト看板も味
バス停なき今、また新道路が川の対岸にあるためここは何軒かある集落の前の路地のただの一角になっている。
誰も気に留める人はいないだろう。
軒下のバス停の跡、この建物もいつかは朽ちるだろうけれど。ここにバスが通い、かつての集落の賑わいの一手を集めた場所であるシンボルが残されているのだから、これは結構幸せなことだと思っている。
ここはまだ幸せなほう。まだ遺産として残っているのだから。
何事もなかったように原野に帰る、あるいは街に呑まれる。そんな集落を何個も見ているし…。
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