金印塚・蒙古塚(福岡県福岡市東区)

西鉄バス・福岡市内,ポール型

バス停の名前にも「昭和しぐさ」というのはある

バス路線というのは鉄道と違い頻繁に路線新設が行われます。
しかし、最近のバス停新設のお知らせにときめかなくなった理由の一つに、
「最近新しくできるバス停の名前が(マニア的に)面白くない」
という問題が…。

福岡市、博多湾に浮かぶ陸繋島・志賀島。歴史の教科書には金印出土の地として掲載されてるあの島の、出土地点のバス停です。

この写真撮ったのは10数年前で、バス停は今も健在。この当時は天神系統(※福岡市の中心街直通系統)もあったんじゃないかな。渋滞も激しい個所を何か所も通るし、通しで乗ったら1時間半くらいかかったような記憶が。今はかなり手前の西戸崎というJR駅までの系統になっています。
また志賀島の市営渡船桟橋まで船が出ていて、ぶっちゃければそれが便利。渋滞知らずだしね!!

能古島と玄界島が見えます。

玄界島、いっぺんバイトで行ったな…。

今のバス停ネーミングのセンスからすると「金印公園前」でいいはずなんですよ。もし、いまコミバスでここにバス停新設、という話になったとしたら、間違いなくそうなると思う。
それが「金印塚」になるのは、やっぱり昭和の感覚じゃないと通らないんです。

韻を踏むように「塚」が続く、このセンス

志賀島の金印塚のバス停、好きなポイントとして隣にある「蒙古塚」の存在がいいんです。

このバス停もどうなんだろう。「蒙古塚」になってたかどうか。
これは基本、物騒なモニュメントなんですよね。

元寇の蒙古兵の供養塚なんです。

金印塚も蒙古塚も宅地のない人口希薄地で(※家が全くないわけではない)、この二つのバス停は割と観光目的か、といった趣のバス停なんですが、その二つに「金印塚」「蒙古塚」とリズミカルに韻を踏むように名前をつけるセンス、ちょっと今だと出ないんじゃなかろうか。

「シンプルでわかりやすいが、いろんな人に配慮しているという努力も感じさせる名前」
みたいな現代基準のアタマで考えるとこの蒙古塚もこの名前になったかどうか。蒙古軍供養塔前にしたか。それともここの小字名を付けただろうか?
「名前が特殊なバス停」というのをいろいろ考えると、自分にとってはこのバス停ふたつは外せません。
おそらく、昭和の人のセンスでしかこの名前は付けられていないと思うし、それがこれほど色濃く残っている個所はそうそうないよなと思っているので…。

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金印塚

蒙古塚