奈良交通,軒下吊り下げ

旧街道のみ残る曽爾村の軒下バス停

(この記事の写真は撮影:北ノ・2020年撮影)
奈良県の三重県境近い曽爾村はすすきの原のある曽爾高原で有名で、伊勢国と大和国を結ぶ伊勢街道が横断している。
そのルートに沿った国道375号線をバスは走る。多くはポールが立っているのだが、バス路線は何度か旧国道の集落の中に飛び込んでいくので…

こういうバス停が何度か登場したりする。
曽爾に行くバスは現在「奥宇陀わくわくバス」として運営されている。引き続き奈良交通が運行していてホームページでも時刻が検索できる。日田バスの晩年の有田線みたいなものだろうか。

終点曽爾村役場も旧道の真ん中にあり、その一つ前のバス停が「曽爾」。

純然たる軒下バス停。
HPで今見られるこの周辺の路線図と少し違う路線図と分かるので、これは実物をじっくり拝見してみたい。
曽爾線は今HPには載ってないんだよね。

宅急便取り扱いの看板、大分交通のなんかでも見たな。

グーグルやSNSで「軒下」「バス停」と検索すると比較的この曽爾が出てくる。観光地近くなので普通の人々の遭遇率高いのか。
奈良もじっくり2日くらいかけて自分で撮りに行ってみたいな。2日で終わるのだろうか。

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奈良交通,民家型

住宅街の真ん中にある絶滅危惧種

北ノさんからもらっている奈良交通のバス停をなかなか消化しきれないのはいかんいかん。
中には「住宅地の真ん中にもあるんですよ!」みたいな触れ込みで頂いたものも。


場所は大和郡山市の、市街地に取り残された感じの旧道の真ん中にあるバス停のようだ。
軽く調べてみればここはやはりそこそこ通には有名なようでぞろぞろとバス停のアップ画像が出てくる。
しかし…ここ本当に道狭いな!!


西鉄バス飯塚市内線の潤野あたりをほうふつとさせる蓋なし側溝の怖さ。ここにバスくるんだよな…という絶望と、本当に来た時のさらなる恐怖…。

今まで軒下のバス停といえば「もう寄り添う建物なんてこの家しかない!」みたいな山奥が多数なんですが、ここは
「すごーい!!どの家にくっつくか迷っちゃう!!」
くらいの勢い。
軒下系のバス停ではありえない本数も魅力的だ。毎時2往復くらいか。まあこないだの尾道の長江2丁目南校下と同じくらいか?

向こうの軒下とかのほうが待ちやすい気もするが…

さてこのバス停、残念ながら今はなく。(※撮影は2016年です)
というのもこの道に平行してトンネルもあるような大掛かりな新道が完成してしまい。バス停もそっちのほうに移転をしてしまいました。
奈良交通の移設のお知らせもここで読める。そもそも隘路にバスが入るのは交通安全上よくないし、ひいては運転手の職場環境改善に一役買うのだ、仕方はなかろう。
過去のストリートビューを表示するとかろうじて見ることはできる。しかし奈良県、おそるべしやな…。

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奈良交通,軒下吊り下げ

軒下バス停の本場は多分奈良

以前全但バスの写真を撮っていただいた北ノさんから、結構な数のバス停の画像を頂きました。
奈良、新潟、岡山などの画像を頂き感動しています。
自分ももっといろんなところに行かねば…。四国も行きたいし、北陸も行ってみたい。
まず最初に行きたいのは全但の兵庫と…何はなくとも奈良です。

ナニコレ珍百景って超有名な番組がありまして、奈良の軒下バス停が紹介されたことがあります。

民家とバス停が合体した光景を発見!!
民家の軒先にはバス停留所を示す標識がかけられ、
壁にはバスの時刻表と路線図が貼られている…。
かなり昔からあるという、この合体したバス停、
村の人口が少ないため、バス停と民家をセットにするのが
当たり前だったために生まれた光景なのでは…と考えられる。
ちなみに、今ではバスを利用する人が少なくなったため、
バス停以外でも、手を挙げればバスに乗り降りできる
自由乗降のシステムをとっているそう。
ナニコレ珍百景公式サイトより

そうです!現在進行形で軒下バス停が息づいているのは、多分奈良県が一番では?
ポスト、公衆電話、お店。その軒下にバス停。

場所は奈良盆地の南端からちょっと山に入ったあたりか。

軒下バス停の原体験

この固定記事の中でまえがき的に書きましたが、大分の「湯坪」という場所で軒下バス停に遭遇したのが最初です。
その20年後に訪れた時にあった湯坪バス停は

当時遊んでた小学校グランドの中に待合室ごと移設されていて、軒下にバス停を下げていた商店には木戸が下ろされていました。

右の建物ですね。よくお菓子を買っていました。福岡の町でちょっと前に販売が無くなったガムが置いてあって、毎日物珍しさに買って食べてたの思い出します。道路より土間が下のほうにあって、記憶と合致している…。

このバス停の写真貰った時、その時の記憶がふわっと蘇ったんですよ。
住人たちがそこを行き交ってて。たまにバスが止まって。
この小さな集落だと、本当にここが町の表札みたいなものなんだなって。

なおこの路線(奈良交通22系統…でよいのだろうか)、前後ずっと軒下バス停らしくグーグルマップ見て驚愕中。
一遍行こう、絶対。

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