大野竹田バス,壁型,小屋型,崩壊系,終点

こんな不条理なバス停はない。
最初の印象はそれだったし、「バス停の概念の解体」とも思えた。
もつ鍋がにらとキャベツともつの三身一体で成り立っているように(※例えがわかりづらいです)、バス停もバス停名板・時刻表・待合スペースで成り立っているのが普通なのだが、どれもこれもねじくれている。

まずこの状況である。なおここが終点。あの車庫前広場の横はすぐに谷になっていて、ここでぎりぎり折り返せる、というスペース。時刻表と待合室が手前にあるが…

なんか思いっきり人んちの倉庫の一角。

問題は名板のほうである。どっちに貼っているんだ。
そりゃ、ここは終点だし名前を気にする人もいないとは思う。
しかしたとえば山歩きの人で道に迷ってこのバス停を探しに来た人がいたとしたら。この時刻表と銘板が離れた状況を見て、「果たしてやっているのか?」と思うに違いない。


事態をややこしくしているのが彼である。
「僕が本物の河面バス停だよ!!」
然と立っているが、これは平行路線の別路線のバス停である。だまされてはいけない。
 
そう、立派な方が週2本しか運行してなかったりするのだ。

ここは友人のブログで「極上の壁バス停」と絶賛されていたが、極上とか絶賛どころじゃない。存在とは?概念とは?何よりバスで行こうが車で行こうが到達したときの達成感は半端ない。最高です。

大分バス(佐伯地区),民家型

ととろのバス停の隣のバス停。
コミュニティバスのバス停があるので廃止されたわけじゃない・・・

通はここを見る。


そう、剥がしたあと!!グーグルマップの写真には残ってるんですねー。

なおととろの反対側の隣のバス停、上田原も

こんな感じの小屋バス停だったのですが、こちらは剥がした跡はナッシング。そんなもんだよ人生は。

大分バス(佐伯地区),軒下吊り下げ


このバス停は大分県のバス停を象徴するバス停だと思う。
偶々同名だったアニメのキャラクター看板が、何者かによって善意で置かれるという出来事からすべてが始まったこのバス停の観光地化。
それもあったのか、長大かつ過疎路線でありながら廃止を免れ続けた木浦鉱山線は昨年、廃止と相成ってしまった。…なもので、コミュニティバスのバス停とレプリカ的に移設されたものが対岸に建っています。

観光地化に到るまでこのバス停はメディアに取り上げられ、色々な貴重な証言を残すことになる。
「バス停の設置には待合スペースを作る必要があった」ということで。現在以上に厳しい条件だったのでは。

このバス停は偶然にも「ととろ」。漢字表記では「轟」。

今は公園の一角に立っているので「あの映画」感は薄れてしまっています。
まあ大分県のこの辺にはそういうバス停はうじゃうじゃあるから問題ない。

それにしても、本当にここに到達するまでが凄まじかった!!
これは実際に行ったものじゃないとわからない感覚だと思う。メジャーなバス停と侮るなかれ。
「ととろみたいなバス停?いくらでもあるよ!」
とかおれは一度も思った事がない、いつか行ってみたかった聖地だった。
このバス停がちゃんと生きているうちには到達を果たせなかったけど、ようやく巡礼を果たせたと思っています。