奥谷(福岡県川崎町)
昭和59年西鉄バス時刻表という分厚い冊子を(おそらく手打ちで)PDFにしたためた偉業を成し遂げた方がいらっしゃって、勇んで閲覧してこのバス停の本数を見て絶句。
このバス停は豊前川崎という、国鉄(敢えてそう記す)のジャンクションの駅前広場から商店街を通り抜け、その店並みが途切れるちょうど真上に大き な折り返し場とともに存在していました。大きな県道を通って、田川(その付近の中核都市)からやってきたこの町の他の方面に行くバスには駅に入ること自体 がわざわざ枝線の袋小路に入るようなもの。しかし時刻表を見れば、まずバスはこのバス停に敢えて寄り、そこからその袋小路を戻ってさらにこの町の枝端のあ ちこちに向かう。そのことと、その沿線の駅前商店街の栄華のあとは、この場所が生活上の拠点であったことを思い起こさせます。
ここで日々の食事の準備、生活の用足しに足を向け、出会う、別れる、旅立つ…さまざまな人の流れの集まりであったこの場所にはバスはもうやってき ませんし、駅前商店街に来るはずの人々は近くの県道沿いにある大きな駐車場のあるスーパーに自家用車ですいっと行ってしまうのでした。
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