日田バス,民家型,軒下吊り下げ


五馬線にあるバス停の王様。
その神々しい軒下バス停は、そのあまりにも軒下にあるという立地から、今までなかなか写真に収めることを躊躇させてきた。

ここはさすがに家の人の許可がいるだろうと思い、何度ドアチャイムを押してみても留守だったのである。
残念ながら上は遠巻きの写真。しかも携帯、画像保存サイズを間違えて小さいまま。これはいつか果たすその日までの宿題だったのかもしれない。

で、今日アタックしてみたら家人が表で園芸をしてらっしゃいました。早速了承を取るべく聞いてみる。
「あのう、すいません。このバス停の写真、撮らせていただけないでしょうか?」
「いいですけど、これそんな珍しいですかね?」
家人の方は、全くてらいのない表情でそう答えた。

写真を撮る間、このバス停が以前、「大坪尻」って名前だったのにいつの間にか「小坪尻」になった、という話をして頂いた。
撮影終了、丁重に礼を言い、幾重にもお礼をして現場を離れた。

日田バス、最近になってやっぱり標柱を作り変えているようだ。おそらくこのバス停も、もうじきそれに取って代わる予定だろう。それどころか、例の高速道路1000円の施策のおかげでこの一日2本の過疎路線自体が消えるかもしれない。日田バスのドル箱と想像していた高速バス路線のリストラが、先日発表になっているのだ。
いろんな意味合いで間に合った、という気分でいっぱいになる。
本当に家人の方、ありがとうございました。

大分交通・大交北部バス,地面型,崩壊系

バス停探すのも大変。

・・・どこだ?

・・・ここか!!

ここなのか!!!

 実際ここまで来ると自分も手馴れたもので、「ああこんな集落あんだったらどっかにありそうだね」で車を降りるとそこにあったみたいな、そんなことばっかりです。
・・・たけのこ掘り名人みたい。

大分交通・大交北部バス,ガードレール,壁型


ガードレールにくくりつけられたバス停。

ここは崖・川・橋で待合所のスペースがない。川、よく見ると擁壁だね。改修でバス停スペースが削られてこうなったのかしら。攻撃斜面側だし。
しかも橋の分岐点にバス停を置いているパターンだから、どうにも移しようがないパターンですね。

ここの路線(樋桶山線)は物凄くて、バス停が石垣の上においてあるだけとかざらでなあ。終点の標識はどこにも見当たらず。ここのサイトで存命中の写真を見ることができました。感動。そんな現在の様子は芳名帖にて公開しております。

日田バス,民家型,軒下吊り下げ


塚田の続き。

温泉に入って、とりあえず帰路に着くことにはした。
五馬線に沿って帰ろう、新しい発見があるかもしれないなんてちょっと考えた。
確かに、再探訪の際路線表の見落としが発覚することはある。
この日の温泉への往路、実は「中園」というバス停の見落としが発覚、真新しい標柱が立ってしまっていたのだ。もっともそのバス停は村で最大の雑貨店のまん前で、標識ゼロ・時刻表のみ雑貨店の軒先に掲載だったという可能性も否定できないから、まあすっぱい葡萄だったと思うさね。ふてた顔で。

さて復路。五馬線は主要地方道・天ヶ瀬阿蘇線を通るのだが、所々が2車線に改良済み。
三日月湖のような旧道の入り口付近にバス停が配置されている。奥に行くことはないだろう。

そんな旧道の入口にある「ゲートボール場前」バス停。
旧道の出口部分はさほど離れていなくて、目視できる距離で再合流しているのがわかる。
ふと、野生の勘が働いた。
向こうに見える森は下り斜面のようだ。地形的にもあの旧道にはそう大きな集落はなさそう、今までそう判断してきた。しかし本当に、第六感的なひらめきでそこを曲がった瞬間・・・

・・・が、上の写真。

「ゲートボール場前」からは100メートルあるかないかの距離。
わざわざこのバス停のために、バスがここに入り込む必然性。
その軒先型とも壁型ともつかないフォルム。

考えれば考えるほど赤瀬川原平の考現学のような考察が頭をよぎってしまう。いやー、大発見をしてしまった。

日田バス,壁型,民家型

自分は凄いずぼらな人間なもので、地図とか路線表とか、そういうちゃんとした資料があるなら持って行けばいいのに。それをしないから人生でも失敗ばっかなのよ!!あなたが与するのはいつもぽしゃるのよ!!なんとか党も大勝するのよ!!・・・あ、これは、高速道路無料公約がこのバス停趣味的にまったくよろしくないゆえの発言であることを表明しておきます。田舎のバス停、ガチでやばい。

話を戻して。
家に帰って、持ち出し損ねた地図や路線表を眺めると、「えーっ、あそこの間にバス停!?」ってなことが多い。天瀬温泉のメインストリートはバス通りなんだけど、路線表にはバス停が2つ。・・・駅しか覚えてないぞ?

この「ずぼら」はたいてい大発見を生む。
大概「見つけにくいバス停」である確率が大だから。

極上の壁バス停だった。
幾多のバス停で風情をそいでいた、丸ゴシック体のラミネート紙標識すらない素の旧式壁プレート。
ごちそうさまでした。

小松屋は温泉旅館でした。