2020年10月、日本全国でバス路線の廃止が
4月と10月はバス路線の廃止などが多く発生する月です。
つとに今年の9月末廃止の多さは、後々語り継がれるんじゃないでしょうか。バス事業への長年の不況に加えてのコロナ禍。
大分ではこないだ発見したばかりの今畑が廃止になるとのこと…。
さて西鉄バスの福岡県の北部にある直方地区も大幅に廃止が決まっておりまして、この市は旧炭鉱街を縦横無尽に走るバス路線が特徴で。
中でもJR(国鉄)バスとの競合関係もあり、祭り縫いのように県道の回りに接しながら脇道を抜けて大回りを繰り返す10番系統宮田線は非常に面白い存在であった。
直方市の二字町の旧市街を抜けた後、県道21号に合流し西に行くかと思えば百合野団地の脇道に入り南下、そのまま大回りしていったん県道に戻った後に宮田の旧貝島炭鉱付近へと迂回して炭鉱・炭鉱住宅・国鉄駅などを嘗め回し大回り。北上後宮田の町役場を抜けてまた県道に戻って、今度はさらに北へ西へと集落を回って鍋蔓線状に倉久・中有木・十石とのたうち回るといった様相で。
度重なる廃止の末今は宮田の役所までになっているけれど、この大回りぶりはなかなか類を見ない。
この路線も9月末で全廃になります。
大回り区間にある筑豊最後の炭鉱町。菅牟田の炭鉱に分け入って、宮田の貝島炭鉱方面に向かう丘陵の上。
バス停、廃止寸前だからなのかこの周辺のポールはボロボロ。
歴史ある路線なんだけどな…
本数は平日(片道)7本とそこそこ残っており、今なおちゃんと生活動線として定着しているのがうかがえる。
接写すると昔の行き先とか浮かび上がらないか、と考えたがどうでしょう。出て「中有木」だろうかね…。
ここのバス停の名物が
これである。
稀少な西鉄バスの木造バス停小屋
西鉄バス、大昔は木造待合室も軒下吊り下げも存在していた記憶はあるのだけれど、その存在の記憶はあくまで当時福岡市在住の小中学生の行動範囲でしか観測できなかったものなわけで。
流石に筑豊の田舎にホイホイと車で行くような身分ではなかったので、こんなところを知る由もなく。
正直よく倒壊しなかったな、と感じる外見。
出自は待合小屋じゃなく商店だったのかしらん。出入口の構造見るとその面影あるかも。
この「キップ・回数券売り場」看板の現存はここぐらいじゃなかろうか。まだ他にもギリ発掘可能か?
実は向かいの道で工事が行われていて
対向車線のポールは残念ながら撤去済み。
ムネン アトヲ タノム…
工事関係の物置代わりにもなっていて寂しさが募る。
とりあえずこのバス停もあと5日。残念。
ストリートビューはこちら