三箇山公民館前(福岡県朝倉郡筑前町)

筑前町地域巡回バス,掲示板型,発見難易度高,壁型

有史以来バスが来れなかった集落は多い

田舎の地図を眺めていると、隅々の集落って有史以来一度はバスが訪れているんじゃ?と思うことはあるが、実際はそんなもんじゃない。
バスが通れるような道路が開通するのと、自動車運輸輸送の発展の歴史とその衰退のタイムラインと。田舎では特にそれらがアンバランスで、特に地形的制約が発生する峠の奥の山間集落や、海岸べたの閉ざされた港町なんかにはバスが訪れたことなんて一度もない、みたいな集落は山のようにある。


朝倉郡筑前町、旧夜須町の三並付近は昔からバス空白地。「西鉄100年史」の1968年ごろのバス地図でもぽっかり空白になっているし、かといって集落も道路もないわけでもなく、小学校や郵便局なんかもあるし人口が皆無という訳でもない。
そこから先のさらに奥、三箇山・櫛木などの集落のある夜須高原に至っては、ゴルフ場や国立青少年自然の家なんかが建っているがここにバスが通ったという話はほぼほぼ聞かない。地勢的に道路はこの集落を流れる川の沢を下った隣の筑穂町(現飯塚市)側に先に開通してしまっているし、こういった行政境界線と地勢のアンバランスな集落はどうしても秘境化してしまう。

四方が山。

道の駅がある三並からつづら折りの峠道を15~20分くらい登って、たどり着くまで一苦労。
まあそんな集落です。

…ここのどこかにバス停がある、はず…

え?

掲示板内バス停という新ジャンル

新ジャンルと言っていいのだろうか…

公民館の掲示板に貼ってあるという新しいスタイルである。

実際、ここが初めてという訳じゃなくって、結構日本中のコミバスでこれは出現していたりする。
ただ「コミバスの試用運転です!!」ということで各地区の公民館伝いにまず試験運行、みたいな流れでできたようなものがいくつか発見されていて、それらも本当にエクセル出力の時刻表だけが掲示板に貼ってあるだけという例のほうが多い。
ここのように本番プレート(※微妙に斬新な表現)をそのまま掲示板に、というのは初めて見た。
貴重な掲示板のスペースが恒久的なバス停の掲示に占用されておるがよいのだろうか。村祭りの告知とか、がん検診の告知とかはいいのか…。

そう思うと心なしか窮屈な掲示板にも見えてこないわけでもない…。
撮影後、下界の道の駅で、ハイエース改造のここ行きバスとすれ違い。あの峠道にこれから挑むんやな…と遠い目。

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